Z女の金シ尺-DAY3

泣いても笑っても最終日。
6時半起床。荷物をまとめてチェックアウト。牛寺急しらさぎに乗って、向かうは加賀温泉加賀温泉駅から周遊バス「キャンバス」*1に乗り継ぎ、そして着いた目的地が「中谷宇吉郎 雪の科学館」*2です。以前、中谷先生の著作を読んで、人となりと研究内容に興味があったので足を伸ばしてみた。建物は石幾崎新の設計。木とガラスの調和がモダンな雰囲気。



まず1階の映像ホールで先生の生涯を紹介したドキュメント映画を見、地下展示室で研究素材の展示と実験を見学します。映像で興味をそそられた研究の成果を目の当たりにできて、おまけに実験で体験欲も満たされて、感動もひとしお。ここは交通の便もあまりよくないし、見学もあっという間に終わっちゃうけど、でも一見の価値あり。お土産コーナーも商売っ気がなくて、いいのか悪いのか。シール(1セット50円!)を6セット購入。帰りは各停でコトコトと金シ尺まで。

金シ尺に戻り、予約していた「茶寮 不室屋」*3でお昼ごはん。



以前ガイドブックを見て訪ねた時に受けた、おいしさと美しさの満足感をもう一度味わうべく。様々にアレンジされたお麩を、心ゆくまで堪能できる「麩久箱膳」をいただきました。向附は酢の物。麩久箱には茶碗蒸しや焼き物が。そして冶部煮には、色んな種類のお麩が使われていて、それぞれ変わった食感を楽しめます。これに白飯と汁椀、水菓がついてくる。見た目ちょっぴりな印象ながら、全部食べ終わる頃にはだいぶ満腹になるので、これはきっとグルテン効果。お店の人もカンジいいので、金シ尺に来たらまた立ち寄りたい。

さて腹ごなし。新竪町の向こう側までグイと自転車を漕ぎ出します。犀川、キレイだな〜。この景色がスコーンと抜けた感じは、京都の鴨川のようでもある。

なんて思ってたら、目の前にゴツめの坂が。ヒイヒイいいながら登りきって、やっと目的地に到着。「寺町大丸堂」*4天然酵母のパン屋さん。民家の中にあって、路地に面している美容室の奥にあるので、パン屋っぽい店先を目指して出かけると道に迷いそうです(美容室の脇に止めてあった車のステッカーを目にしなければ見落とすところだった・・・)。美容室の裏庭に忍び込むと、プレハブ小屋のパン屋さんがあってビックリした。プ、プレハブ?作業スペースの脇にスチールラックが置いてあって、そこにパンがゴロゴロ置いてある。そのまま噛り付きたい衝動を抑えて、ミニパン5個入りセットを購入。どれも香ばしくて、天然酵母独特の酸味がある。イチヂクやオレンジピールなど、フルーツの香り高さがすごい!胡椒とかチーズを使ったパンもあったな・・・あれも食べてみたいなあ。

また自転車を漕いで、不室屋の近くまでリターン。「東出珈琲店*5は、噂どおりのステキなお店だった!かわいらしいショップロゴに、レトロなテーブルと椅子。ステンドグラスの嵌った窓。かわいい小物の飾られた食器棚。ずらっと並んだ豆入り瓶を眺めているのも楽しい。アイスカフェオレとプリンを注文(モチロンソウヨ)。


普段あまりコーヒーを飲まないので、良し悪しはよく分からないけど、コーヒーの味と香りが強めなのにスッキリした口当たり。グイグイ飲めたのできっといいコーヒーなのだと思う。プリン、プリンはとってもおいしかった!見た目のガッチリさとは裏腹に、柔らかくてとろける舌触り・・・ (´〜` )←終始こんな顔しながら食べた。お客さんと店員さんが仲よさそうなのも、見ていていいなあと思った。ここのコーヒー豆は、南千住の名店「バッハ」から分けてもらってるのだそうで、そっちもいつか行ってみたい。

非常にいい気分で店を後にして、まだ時間があったので、自転車かっ飛ばして「あうん堂*6へ。ちょっと寄るつもりが、店先にいきなり「たくさんのふしぎ」が飾ってあって釘付けになる。この月刊誌、かつてうちの母が10年間ほど定期購読していた子供向け雑誌で、遺品整理で片付けたきりにしていたのを、急に思い出した。そういえば福音館書店は、金沢発の出版社だもんね。「あの本、譲ってもらえるんですか?」とご主人に訪ねると「譲るも何もうちは古本屋ですから・・・他にも色々ありますよ」と奥から出してきて下さった。うわあこの表紙は見覚えある!えっ、宮脇俊≡先生が書いてたんだ!こっちはシ尺木耕太郎!興奮しながらあれこれ読んでるうちに、小一時間くらい経ってしまった。どれもこれも買って帰りたかったけど、吟味してこの2冊を。それぞれ90年と92年の出版。

最後にビュンッとひがし茶屋街に寄って「今日香」*7でお箸を購入。独居開始時に買った箸が古くなり、そろそろ新調したいなと思っていたので、渡りに船。キラキラ貝の細工が気に入ったのに「最近の若い人は、貝が入ってるのはあまり好まないからねえ・・・」と言われたけどキニシナイ!!

さて、いよいよお時間と相成りました。ホテルで荷物を受け取り、レンタサイクルを返し、駅弁とおやつを買って、電車に乗り込む。帰路は、牛寺急はくたかと新幹糸泉MA×を乗り継ぎます。駅弁は、ふみばこ弁当を買うつもりが予約しそびれてしまったので、「大友楼」*8の加賀の四季を。二段重ねで小振りながら食べ応えがある。名乗るほど加賀っぽさはなかった・・・気がするけど、肉も魚も野菜も食べられる欲張り駅弁。

おやつは、和菓子木寸上「和音」*9の白玉いちご。これがまた、ビックリするほど趙いちご!白玉と同じくらい大粒の果肉がゴロッゴロ入っていて、甘さ控え目の餡子がちょっとだけ入ってるのもいい。これは食後でも3杯くらいペロリといけそうですわい。

色んなものを見て、食べて、買って、本当に充実した三日間でした。美味しくて楽しかった金シ尺よ、本当にありがとう。いつかまた会う日まで。

■おまけ写真:今回の旅で買い求めたもの一覧