ネオテ二ージャパン@上野の森美術館


伊藤存のワークショップが催されると聞いて、鼻息も荒く上野の森に見ッ参ッ の前に、まずは本編を鑑賞。現代美術の若手作家の作品が一堂に会していて、なかなか圧巻。どれもこれも見たことある作品ばかりで、目新しさには欠けるけど、いずれ美術の教科書に載るであろう(もう載ってる作品もあるかな)作品群をこれだけ一挙に見られる展覧会もそうない。『よくこれだけ蒐集できたなあ(金銭的な意味で)』と感嘆したり。"どれもこれも見たことある"と前置きしたけど、初めて目にする作家もいて、中でも池田学という方の作品が、超絶緻密でドラマチックで本当に凄かった。「興亡史」は、2m×2mの巨大なキャンバスの中に崩れ落ちそうな日本風の城が描かれていて、その中に人間模様や四季やありとあらゆる要素がとてつもなく細かい筆致で描き込まれている(下書きレス…だと…)。とにかくもう圧巻の一言。久しぶりに絵の前から動けなくなった。今後の動向に注目したい。
で、時間になったので美術館前のスペースに移動。伊藤存の、地面をキャンバスに見立てた水ドローイング。スポンジとパイプでできた絵筆に水を注いで、ほとんど何の躊躇いもなく、スイスイと描いていく。気の向くままに、でもモチーフに関連性を持たせて描いていくとか凄い。水鳥や鮭、あと何を描いてたかしら。最後に『(本展にも)展示されている作品を…』と言って描き出したのは、なんと「よだれのきらめき」!!!なんというサプライズ!自分が伊藤存を知ったきっかけの作品だったので、なんだか運命を感じた…(一方的に)(きもい)。40分くらいだったけど、適度な曇天で風も穏やかで、すごくいいワークショップだったな。この夏は伊藤存の作品を目にする機会が多そうなので、とても楽しみです。
■参考 池田学(MIZUMA ART GALLERY)