のぼうの城

のぼうの城

才ノさんの表紙で気になっていたので、ちょっと読んでみた。時代小説はまったく読んだことがなく、登場人物の名前(漢字の読み方が難しい)にまず躓き、話し言葉の難解さにまた躓いて、波に乗るのにだいぶ時間がかかったけど、乗ったらあっという間に読めた。これは面白い!!登場人物たちの心情の機微が仔細に描かれていて、読んでいて物凄く感情を揺さぶられた。戦国の世の男たちは、単純だけどプライドが高く、筋を通すことに命を賭けていて、なんだか圧倒された。映画的で漫画的。膨大な登場人物の各人のモノローグが多くて、主人公がハッキリしなくて全体的に曖昧なところはあるけど、それでも十分に面白いです。趙おすすめ。

忍びの国

忍びの国

のぼう様に続いて読んだ。作者のクセに慣れたからか、こちらの方が読みやすかったような。やっぱり描写が細かくて、情景が目に浮かぶようで臨場感があってドキドキする。モノローグは忍者衆と武者衆の駆け引きの応酬で、戦(いくさ)が頭脳戦だったことがよく分かる。弱者が逆境を引っくり返して、強者に勝つという展開がお好きなのかな和田先生は。あと本作は、誠に勝手ながら最初から無門(凄腕の忍者で名前の由来がカッコイイ)=宮藤さんをイメージしながら読んでいて、たぶん「大帝の剣」の忍者役とか好きな女に一途なところがシンクロしたからだと思うんだけど、もう終始ハートがギュンギュンしっぱなしだった。好きな女に頭が上がらない宮藤さん、飄々と神業を繰り出す宮藤さん、冷酷な殺戮マシンだったのに愛を覚えた宮藤さん・・・ハアハア 宮藤さん主演で実写化されないかなーあああ